潜在看護師復職~看護師のブランク支援プログラムの現状

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復職を考える看護師

看護師が辞めていく場合は、勤務している職場環境に問題がみられることが多い。もちろん、医療機関に限らず、どのような職種であっても職場に問題がなければ、よほどの理由がない限り辞めていく人は少ないはずだ。

だが、看護師は国家資格であるうえに職業としての社会性が高く、職務上の責任や特別なスキルを必要とされるため、その職場環境において一般的な職業とは単純に比較できないだろう。

離職看護師は復職に意欲がわかなくなる傾向が強い

患者の命を預かる責任を負い、医療技術の進化にも対応しなければならない看護職は、一般の仕事と違って一度離職してしまうと、復職に対する意欲が起こりにくい職業といえる。あるいは、復職の意思があってもブランクから二の足を踏むことも多い。退職してから時間が経てば経つほど、現場復帰に対する自信が失われていき、復職のハードルは高くなる。

一方で、看護師を受け入れる側の医療機関としても、一度離職しブランクのある看護師をいきなり現場に投入するのはリスクがある。そのため、再教育プログラム等のサポートを用意しなければならず、雇用する側とされる側、双方ともに決めきれずしり込みしがちなのが看護師の復職だ。

復職支援プログラムを地方自治体で開催されている

こうした離職看護師の復職を支援するために、さまざまな機関や施設で復職支援プログラムやセミナーが開催されている。開催しているのは、主に地方自治体の福祉保健部や各県の看護協会、ナースプラザなどだが、神奈川県相模原市病院協会や日本精神看護協会のように、独自の研修会を開催している協会団体もある。

神奈川県は潜在看護師の復職支援は急務

神奈川県内における看護職員の需要は約9万人だが、就業者数は約7万5千人にとどまる。人口10万人あたりの看護職員の数は約830人と全国でも2番目に少なく、潜在看護師の復職支援は急務となっている。

そんななか、相模原市病院協会では2014年から独自に復職相談会や研修会を開催している。病院協会に加盟する37病院の看護部長がナースワークコンシェルジュとして、潜在看護師に無料の個別相談を行い、これまでに参加した92名中15名が加盟病院に就職した。

10年のブランクを経て市内の病院に就職した女性は、今の医療現場についていけるか不安を感じていたが、相模原市病院協会が開催した研修会に参加し、採血や医療機器の操作方法について実技研修を受け、復職への自信につながったという。

精神科の看護師の再就職支援プログラムも行っている

一方、日本精神科看護協会では、敬遠されがちな精神科の看護師を増員するため、これまでも新聞広告を打つなど、潜在看護師への働き掛けを行ってきたが、平成21年には精神科に特化した再就職支援プログラムを開発している。

平成22年にはこのプログラムを利用した再就職支援セミナーを各地で開催、現在は看護職だけでなく、チーム医療のための他職種でも受講可能な精神科の基礎セミナーなど、年間500近い研修会を開催している。

認知症患者増加でますます潜在看護師の復職が急務

超高齢社会を迎え、2025年には認知症患者が700万人を超え、高齢者の5人にひとりが認知症を患うとされている。精神科の看護職は今後もニーズが増え続けると予想され、看護職員の確保が急がれている。

潜在看護師は職場が求める看護師像に適応できるか?

このように、潜在看護師にはさまざまな医療機関から熱いまなざしが注がれており、どの施設も優秀な人材の発掘に躍起となっている。施設側は、現場が求める看護師像に適応できる潜在看護師としての特徴を具体的に明示し、潜在看護師にわかりやすく選びやすい求人内容にすることが重要だ。

施設も看護師も、入職した後で「話が違う」「スキルが足りない」などと嘆いても後の祭り、お互いが不幸にならないためにも、施設と看護職のニーズが合致するように、詳細な情報の公開が求められる。

現在の日本は、若者世代の非婚化、少子化傾向に歯止めがかからず、一方で団塊の世代一斉に後期高齢者となる2025年を目前にしている。医療現場の看護師不足は深刻さを増すばかりで、国や行政による離職中の看護師たちへの復職支援が急務となっているのだ。

現在の看護師不足を招くことになった原因を究明するとともに、解決するための方策について情報収集を行い、今後の復職支援のあり方などを学びつつ、潜在看護師が現場復帰するための一助となれば幸いだ。

辞職した看護師たち

ナースセンターの潜在看護職員調査によれば、離職した看護師が多く住むのは政令指定都市や県庁所在地などの都市部で、年齢層は30代が全体の半数を占めるという。ほぼ99%が女性で、79%が既婚、被扶養者は59%程度、70%に子供ありとなっている。

潜在看護師の求人する病院は中規模~大規模病院

8割が既婚者ということは、おそらく大半の看護師が結婚、出産を機に看護職を辞めたと考えられる。都市部に人口が集中するのは看護師に限ったことではないが、現在の病院の分布からすると、潜在看護師が求職する施設は中規模~大規模病院になるケースが多いだろう、

必然的に常勤の病棟看護師として復職を考えることになる確率が高いが、そこで課題となるのが家事や育児との両立、そしてブランクに対する不安だ。

看護師としての経験とブランク

離職中の看護師は約3割が看護師経験5~10年で、2割弱が5年未満だ。また、最後に退職してからの離職期間は54%が5年未満、転職回数も0回が最も多く23%、次いで1回の17%と約半数を転職経験の少ない層が占めている。

この数値から、入職して5年未満で離職したあと一度も復職していない元若手看護師と、1度の転職経験はあるものの、結婚や出産を機に離職してから復職していない中堅看護師が半数を占めている現状が見て取れる。

転職回数

看護師が最初に働いた職場から離職した期間 

最後に働いた職場から離職した期間

看護師の転職回数

在職中の職については、当然一般のスタッフが一番多く76%を占める。現在離職中の看護師は十分な経験を積む前に退職した人が多く、結婚・出産を経て子育てが一段落する4~5年後に復職したいと思いつつも、仕事に対する自信がないことが潜在看護師の復職を妨げる一因となっている。しかし、復職は早ければ早いに越したことはない。誰かが背中を押してくれれば、そう思う潜在看護師は多いことだろう。

潜在看護師復職のきっかけは

また、現在看護職に就いていない理由としては44%が子育てのため、22%が家事との両立がむずかしいから、と答えているが、約22%は自身の適性や能力に対する不安を挙げている。しかし、離職中の潜在看護師のうち77.6%はもう一度看護師として働きたい、と胸の内には復職への意欲を持ち続けているのだ。にもかかわらず、現在75万人ともいわれる潜在看護師が年々増え続けているのは残念なことである。

実は、潜在看護師が復職に踏み出すきっかけは、経済的な理由よりも「社会参加」を理由として挙げる割合のほうが高い。アンケートの3位には「看護職としてのやりがいを再認識したから」という理由が挙げられている。看護師は離職しても看護師としての心を忘れてはいないのである。

看護師が復職したいと思ったきっかけ

看護師が再就職を思ったきっかけ

このように、復職への意欲は旺盛な潜在看護師だが、実際に再就職に向けて活動をしているかというと、そうでもないらしい。アンケートの中で、すでに就職先が決まっていると答えたのはわずか8%で、すぐにでも働きたいと回答したのは26.5%にとどまった。

その他は「1年以内に働きたい」、とか「就職時期は未定」、とする回答者が多かった。しかし、離職期間が長引けば長引くほど復職の意欲は薄れていき、実際に復職する看護師の割合も低くなる。

潜在看護師が各地の看護協会に登録している割合は20%ほどで、ナースセンターには68%が登録しているものの、再就職の相談に訪れたことがあるのは26%と少数派だ。さらに、再就職向けの各種イベントや研修会への参加者は軒並み数パーセントと極めて少ない。

復職への一歩を踏み出すために

復職への第一歩として各種の研修会やセミナーを一度訪れてみることで、再就職に向けた具体的な道筋が見えてくると思うのだが、イベントの認知度が低いのか面倒なのか、なかなか具体的な行動にまでは至っていない。

そこで必要になってくるのが、潜在看護師に復職の第一歩を踏み出させるために「背中を押してくれる」存在だ。これがパートナーを始めとする家族であれば、これ以上の幸福はないが、多くの配偶者は、勤務が不規則でストレスの大きい看護職への復職にいい顔をしてくれない。潜在看護師が復職するためには、家事や子育てとの両立、最新医療機器や医事システムとの格闘以前に、「家族の説得」という大仕事が待っているのである。

家族の説得はあくまでも個人的な問題で、誰にでも通用する技法などは存在していない。しかし、現在の看護の対象は大半が高齢者であり、自分の親の姿を投影する人は少なくないだろう。再就職しようと考える医療機関があったら、パートナーと共に現場視察にいくのも一つの方法ではないだろうか。

医療現場でかいがいしく立ち働くナースの姿と、看護される高齢患者の姿に、自分の両親や、もしかすると自らの将来を投影して、看護の素晴らしさを再認識してくれるかもしれない。なにより、看護職とはすばらしい仕事であり、だからこそ一度はその道を選んだ。今一度、その素晴らしい看護の世界に身を置いてみたい、そう説得されて首を縦にふらない人はないだろう。

とはいえ、復職後の自分がその職場になじめるのかどうか、不安感は払しょくし難いものがあるのも事実。ここで、日本看護管理学会の会誌に掲載された論文を例に、どのように復職後の職場になじむかをシミュレーションしてみよう。

この論文は結婚や出産を機に看護職を離れ、ブランクを経て復職した女性看護師11名に対するインタビューを分析して概念化したものだ。年齢は28~47歳、ブランクの期間は3年から16年と幅があるが、離職理由は「結婚」「出産」「育児」の3通りで、勤務体系は常勤が3名、非常勤・短時間が8名。

潜在看護師が復職して職場になじめるか?を調査した出典:日本看護管理学会

復職に伴う問題に直面する潜在看護師

まず、復職した看護師は、家庭と仕事の両立や力量不足、周囲の期待という重圧に直面するが、学習と経験によってその壁を乗り越えようと取り組む。その際に重要となるのが、その取り組みを後押ししてくれる心境だ。加えて職場からの支援を受け、状況の改善を実感する。このサイクルを繰り返すことで、復職した自分になじんでいく、という過程を概念化している。

復職した看護師のスキルの、実践力の低下を引き戻す学習システム

具体的に見てみよう。まず最初に、復職に伴う問題に直面するが、これはあらかじめ予想されたことであるにもかかわらず、復職者に大きな動揺を与える。自分の記憶は看護職を辞めたときのままだが、実際現場に出ると、かつてできたことができない、知識についても忘れている部分が多くあるなど、ブランクによるスキルの低下を改めて実感することになる。

さらに日進月歩の医療業界において、かつては存在しなかった電子システムやツール類の進化に、さながら浦島太郎の心境にも似た状態を経験する。臨床の現場を離れて久しいがゆえに、患者の急変などに落ち着いた対応ができないなど、かつての自分とは違う自分を見る思いがする。だが、周囲からは新人とは違うプロとしての実践を求められているギャップ。

こうしたブランクを乗り越えるためにすべきことは、まず学習なのだが、家事との両立という現実が立ちふさがり、なかなか思うように時間が取れない。では、どうするか。ここでの解は「周囲を巻き込む」である。わからないことは同僚に聞く、できないことは他の看護師に頼む、上司に自分の役割を確認する。また、学習については院内外の勉強会に参加するなど、学習の機会をうまくとらえて効率的に勉強することで、時間配分を合理化できる。

新人看護師が持てない仕事の看護の経験値

家事については「無理をしない」、ときには手抜きでもいいじゃないか、専業主婦とは違うことを念頭に、家事に向けるエネルギーをセーブして仕事との両立を図るのがベストだろう。復職した看護師には新人看護師にはない仕事の経験値があり、復職後それほど時間を要さず職場になじむことができるだろう。あせらず、じっくりと仕事に取り組むことが大切だ。

ただし、ブランクに起因する仕事上の困難については、なかなか乗り越えることができない場合もあるだろう。そんなときには背伸びをせず、「今はできない」ことを自ら認めて、さらなる向上心へとつなげられればよい。「なじんだ」ということは「できるようになった」ということとは違う。まずは復職した自分になじんで、そこから仕事ができるようになればよしとしよう。

看護師は患者とのかかわりの中で成長し、日々のモチベーションの原動力を得ている。結婚や出産を経験して復職した看護師には、患者に加えて、子どもの成長や家族との生活が、さらなるやる気をもたらしてくれるだろう。家族がいて仕事と両立しているということが自信となり、感が師としてのさらなる成長を促してくれるはずだ。

潜在看護師への復職支援事業

一般の職業では20代後半から30台にかけて離職し、子育てが一段落する40代に復職、というケースが多く年代別就業率はM字型の曲線を描く。しかし、看護師の場合は一度離職すると、その過酷な職場環境のためか戻ってきたくとも復職をためらうことが多い。さらに、新卒で入職した新人看護師の離職率の高さが看護師不足に拍車をかけている。

新卒で入局した新人看護師も含め、看護師の離職率は一見すると横ばいとなっている。しかし、看護師人口は年々増え続けており、離職者の数は増え続けているのが現状だ。そして、離職するきっかけはどうであれ、離職を考える原因の大部分は現場で受けるストレスに相違なく、看護師のうつ病は一般の職業と比較して有病率が高い。

看護職におけるストレスの原因は患者とその家族、または医師や上司であり、ストレッサー自体を排除することはできない。だから看護職におけるメンタルヘルスマネジメントは非常に重要であり、ストレスのコントロールも習得すべきスキルのひとつといえる。

誰のための看護師なのか

診療報酬の改定により看護師の人数と入院日数のルールが厳格化されたため、病状の軽い患者はどんどん退院させられる。必然的に残るのは病状の重い患者ばかりで、看護師の責任と仕事量はいやがうえにも増すばかりだ。新人看護師だからと大目に見てくれるはずもなく、過酷な仕事環境についていけず新人は一人前になるどころか1年以内にその7~8%が病院を辞めていく。

こうなると負担が大きくなるのが経験3~5年の中堅看護師だ。新人の定着率が悪い分業務はどんどん増えていく。さらに日進月歩で進化する医療システムは経営からカルテ、診断、投薬のオーダリングから会計まで、病院の上位から末端まですべてがICTによって関連付けられ、一括したシステムとして稼働している。医用システムが導入され、バージョンアップされるたびに看護師は新しい操作方法と格闘しなければならない。

際限なく増え続ける仕事と増えないスタッフ数。やがて中堅看護師たちも追い詰められ、ついには燃え尽きて退職に追い込まれていく。この苛烈な看護業務に関しては、中途採用看護師の教育に期待というデメリットを伝える訳、でも解説しているので是非参考にして欲しい。

激務にあえぐ中堅看護師は言う。「とにかく忙しくて手が回らない。電子入力に手を取られているひまもなくコール、またコール。病棟内を走り回っているだけで手いっぱい。必然的にコールを押せない重症の患者さんや寝たきりの患者さんが後回しになってしまう。いったい誰のためのナースなのか…」

離職する看護師の1割は新人看護師

毎年、約5万人が新卒で入職してくるが、一方で常勤看護師の離職率は11%前後の高水準で推移している。毎年2万人近くが辞めていき、その1割以上を1年以内の新人看護師が占めている。しかも、辞めていく看護師たちの多くが職場には戻ってこないのだ。こうして離職した潜在看護師は70~75万人にも上ると推定されている。

病床規模別看護職員離職率

病床規模別看護職員の離職率

出典:日本看護協会ニュースリリース

看護師の離職防止に対する取り組みが声高に叫ばれてはいるものの、いまだ有効な手立てが講じられていないのが現状だ。一方で看護師の復職支援については、国や自治体、病院などによってセミナーや研修が提供されている。復職を目指す潜在看護師たちにとって利用価値は高いと思われるが、もっと認知度を高めていく必要があるのではないだろうか。

復職支援には参加費が無料で復職への動機づけを行うセミナー等がある

離職中の潜在看護師に復職を促すための支援プログラムは、自治体や病院などによってさまざまなかたちで提供されている。大きくわけて、自治体が行う研修会や復職相談、病院など医療機関が行う復職支援研修などがある。大半は参加費が無料で復職への動機づけを行うためのプレゼン形式のセミナーから、7日間におよぶ病院での実習までさまざまだ。

潜在看護師がどのようなステージで離職したか、現在の生活の状況や子育て・家事との両立も考えて、受講する場所や内容を選ぶことが可能だ。各都道府県の福祉保健局やナースセンターなどに問い合わせるか、ホームページなど調べてみるといいだろう。

また、施設や行政には復職支援プログラムだけでなく、看護現場の改善が復職支援の一助を担う、とうことも理解してもらいたい。現場の改善によって、現役の看護師たちが生き生きと仕事ができ、輝いているナースの姿を見てもらうことで、潜在看護師が現場復帰の一歩を踏み出すきっかけとなる。

また、それを見て看護職を目指す若者も増えることだろう。いい病院、いい施設をつくること、これこそがもっとも効果的な潜在看護師の復職支援なのだから。

自治体の潜在看護師復職支援事業

ここで、復職支援の具体的な一例として、東京都福祉保健局が実施する復職支援プログラムを見てみよう。東京都は全国でも看護師の離職率が極めて高く、常勤で14.6%、新卒で9.6%となっている。東京など大都市圏では大学病院や大病院が多く、さながら看護師の争奪戦の様相を呈していることが、逆に離職率の高さにつながっているのではないだろうか。

都道府県別看護職員離職率

都道府県別看護師、看護職員の離職率

出典:日本看護協会ニュースリリース

そんな東京では都の福祉保健局が東京都看護協会に委託する形で復職支援研修を行っている。実際に研修が行われるのは新宿区の東京都看護協会会館に併設するナースプラザだ。

ナースプラザでは新人研修、中堅看護職ブラッシュアップ研修などとともに復職支援研修が行われている。復職支援研修はナースプラザで行われる研修のほか、都内にある31の連携病院でほぼ実戦に即した実習、演習が行われている。参加費は無料だが、看護協会への入会が前提となっているので15,000円~20,000円の会費が必要となる。

支援プログラムの内容は復職意欲を高める動機づけセミナー(1日)から、5~7日間かけて病院で行われる基礎実習から本格的な病棟での実践研修までが用意されている。そのほか、ナースプラザ主催の研修も開催されており、採血や輸液の技術研修や急変時対応の措置、挿管やAEDの操作に関する研修なども行われている。

標準的なプログラム

プログラムの種類 期間 主な内容
1日コース
(看護の魅力再発見講座)
1日 病院の実績に応じた「医療看護の動向率」、オリエンテーション、病院見学等を実施。
いずれも就業したい方にお勧めです。
5日コース
(復職に向けた病院実習基礎編)
5日 1日コースの内容に加え、模型や実際の医療機器を使用した手技演習を中心とした研修及び病棟実習を実施。再就業にめけて少しづつ準備したい方にお勧めです。
7日コース
(復職に向けた病院実習実習編)
7日 1日コースの内容に加え、より実践的な研修とするため、病棟実習を実施。(助産師向けの研修もあります。)すぐにでも再就業したい方にお勧めです。
訪問介護ステーション、その他の施設での研修 2~5日 病院における研修(1日コース、5日コース、7日コースのいずれかを終了後、訪問k死後ステーションや診療所、福祉施設などでの研修を希望する方のためのプログラムです。
ライフスタイルに合わせた職場選択を可能にします。

東京都福祉保健局より抜粋

病院による看護師復職支援プログラム

多くの自治体では潜在看護師の復職支援を行う医療機関を公募し、助成金の支給による復職の促進事業を行っている。この制度を利用した病院独自の看護師復職支援プログラムもある。

たとえば埼玉県の春日部中央総合病院では、平成27年度に3日間の研修を8回開催する予定としている。内容は1日目が医療の動向と病院の概要、標準予防策、注射練習と看護体験、2~3日目が同じく看護体験と注射練習で、いずれも朝9時から12時半までの午前中のみの研修となっている。

春日部中央総合病院 看護部ウェブサイト

また、横浜市戸塚区の戸塚共立第1病院看護部では不定期で独自の潜在看護師復職支援セミナープログラムを実施している。こちらは個別の申し込みで、1日セミナーと4日間実習の2タイプが用意されている。1日セミナーは4日間実習の初日と同じ内容で、午前は「最近の医療・看護の動向」「やさしい薬の知識」、午後は「医療安全」「感染管理」の講義が行われる。

4日間実習の2~3日目は採血、輸液・静注、吸引や体位変換、移乗などの演習を行う。4日目は病棟に場所を移し、現役看護師とマンツーマンで看護の援助を行う。病棟ではリネンの交換、バイタル測定、体位変換や移乗、食事・排泄の補助、吸引など通常の看護業務補助を行う。4日間の実習が終わると再就職支援の相談を挟んで、希望者はさらに透析クリニックコース、訪問看護ステーションコースの実習を受けることができる。

戸塚共立第1病院 看護部ウェブサイト

復職できない看護師は自身の責任ではない

今の日本には、看護師が心ならずも看護の道を断念し、復職してこない現実がある。しかし、それは決して看護師の責任ではない。国や自治体、病院が連携して、まず最初に取り組まなければならないのは、看護師が辞めない職場環境をつくることだろう。

近年、医療に関する法令はころころと目まぐるしく変わり医療施設に混乱を与え、新薬や最先端の医療機器は次々と開発される。一方で、一部の大病院と製薬会社との不透明な癒着があるなど、昨今の医療業界は混迷を極めている。

過酷な業務と家事や育児との両立ができない

民間の病院や施設は経営に問題を抱えるところが多く、看護職は忙しすぎる現場、過酷な交代勤務とサービス残業における賃金の不払い、家事や育児との両立など、なかなか解消のめどが立たない問題を多く抱えている。

現在、離職して復職しない潜在看護師は70万人を超えると推定されている。だが、離職していても彼女たちは看護師としての志を捨てておらず、その多くが、機会を得て看護師に復職したいと願っている。

まとめ

そんな離職中の看護師がスムーズに復職できるよう、さらに支援プログラムを充実させる必要がある。しかし、支援プログラムとはいえ一度は辞めた病棟での実習にひとりで向き合うにはかなりの勇気がいるだろう。復職を目指す看護師たちには施設や公的機関による支援に加え、家族や友人の励ましがなにより必要だ。

さまざまな問題がある中で、潜在看護師を発掘しようとする施設や病院には、求める求人像を具体的に明示するよう心がけてもらいたい。求人する診療科はもちろん、勤務体系、人数、経験値の程度、賃金(特にシフトや残業に関する部分)、託児施設などを明確に。

その上で、復職したあとの支援の具体的な内容、たとえば勉強会、講習会への参加、サポート体制などの準備も必要だ。たとえ経験者といえども、長いブランクを経て復職するわけだから、即戦力とは考えず、ある程度の再教育期間を前提に支援プログラムを組んでもらいたいものである。

復職を希望する側も、復職した際にどのような問題があるのか、そしてその問題をどのような方法と過程で解決していくのかを考えておこう。その上で、医療機関の求める看護師像に自分は合致しているか、自分が求める条件と職場環境はマッチしているか、その点を見極めたうえで、自分が看護師としてもっとも輝ける職場を選びたいものである。

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