看護師のおしゃれ心に隠された知られざる病棟の過酷な現状

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
多忙で身なりを気にしない看護師

新人看護師は病院内で飛び交うこれら看護師用語に頭を″?″だらけにしながら、少しずつ現場で覚えていくのです。

ちなみに「看護用語辞典」というのも多数発売されていますので、これを買って勉強する人もいます。最初はやっぱり、私もとまどいました。先輩たちが話しているのが暗号に聞こえましたからです。

でも、実はこの〃暗号に聞こえる″というのがポイント。これらの看護師用語には、患者さんに対する気遣いという面もあります。

例えば病棟で、他の患者さんの前では誰かが亡くなったという話はしないのが看護師としてのマナーです。

でも〃ステる〃という言葉を使えば、(彼らがその用語を知らなければ、ですけど) 一瞬何の話だかは分かりません。

他にも、入院している間に他科に関わるような症状が出てきてしまった場合、他科依頼といって別の科に看てもらうんですが、泌尿器科や婦人科だと、本人も他の人に知られるのを気にする場合がありますよ。

Youtube

そういうときは、「ウロで看てもらいますから」というと、他の人は聞こえてもよく分からない。患者さんの精神的負担が、ちょっとでも減るといいな、と思いつつ私たち看護師は使っていたりします。

そう考えて看護師用語がある科を見ると、ちょっとおおっぴらに言うのがはばかられる科が多いかもしれません。確かにその理由だと思うと納得しますね。

ちなみに、ほとんどの新人看護師たちが最初に覚えるのは″ステる″です。

看護師用語を知っていると、入院生活が少し興味深いものになるかもしれません。でも、知っていても看護師に指摘はしないほうがいいかもしれません。仕事がしづらくなってしいます。

さて、看護師にはおしゃれ心が付き物です。制服(ユニフォーム)にはさまざまなおしゃれ心を取り入れています。

まずは、看護婦養成所時代からの看護師のユニフォームについて解説します。

看護婦養成が開始された当時の制服

看護婦養成が開始(1886年)された当時の制服は、自・濃紺の制服制帽、袴に草履で、その後、時代とともにおしゃれ度、スタイルが変化した。

大阪大学医学部附属病院看護部のウェブサイト上に掲載されている各時代の自衣姿の写真によって、昭和40年代までのスタイルの変遷が確認でき、同時に日本女性の服装の変化などとの関係も読み取ることができる。

その後、シワになりにくい化繊素材や、着脱が便利なフアスナーを用いるデザインが多用されるようになった。前身ごろの左右のダーツ部分に縫い付けられ背後に回すタイプのベルトは、看護師の自衣独特のデザインである。

前面中心をファスナーにしつつ、着け慣れたベルトも残したいという思いや、体型的におしゃれなアクセントをつけるためにもベルトが必要だったことなどが反映されているという。

また、自衣を一括でクリーニング業者に託すようになり、自衣本体と分かれているベルトの紛失が頻発したことなど、このデザインが生まれた裏事情もあるらしい。

多人数の看護師の自衣やそのクリーニング費用は、コスト管理上重視される項目なのである。ちなみに、200年以降、不況対策のコスト削減として制服を廃止した銀行や百貨店の例がある。

近年の看護師の制服は、機能性の向上、男性看護師の増加、自衣による威圧感・恐怖感が問題視されたことなどが関係し、ワンピースのほかにパンツと上下を組み合わせるタイプやスクラブタイプなどさまざまなスタイルのみならず、おしゃれな色柄ものも着用されるようになった。

自衣ではなくユニフォームというおしゃれな呼び方が定着した

さらに最近は、スポーツ用ユニフォームブランドが、医療・介護従事者向けの商品化に乗り出しているため、作業着としての機能性は今後ますます向上すると思われる。

制服には、機能性のほかに哲学が大きく反映される。制服を着る側(看護師) が、その点をどう意識するかでも、今後の看護師服のありようが違ってくるだろう。

たとえば、受け持ちの患者にはじめて挨拶に行くとき、それは初対面、出会いの場面である。

その際は、看護師としてのプロ意識や誇り、それと思者への礼意をしっかり表明できるデザインの制服をできるだけ着る。それは、たとえ意識のない、あるいは視力のない患者であっても、そうする。それも一つの哲学である。

高校生が制服と体育着を使い分けるようにユニフォームを使い分ける方法や、多様なユニフォーム姿であっても属性がはっきりわかるような腕章のようなものの検討など、着る側としてまだまだ多くの検討の余地がある。

看護師のおしゃれは白衣から始まる

自衣の天使、なんて言葉があるくらいで、看護師といえばやっばり真っ先にみんな思い浮かべるのはあのおしゃれな看護師服ではないでしょうか。

実際に看護師として病院に勤務する前は、あれは″病院ごとに定められた制服″だと思っていました。

こう表現すると「え、そうじゃないの?」っていう声が聞こえてきそうです。実は、やはりそうではないのです。

看護師の制服の種類

参考:井上眼科病院 

病院に行くことがあったら、看護師服をよく見てみてください。一見全部同じように見えても、少しずつデザインや色が違っていたりするはずです。

大抵どの病院でも、年に2~3枚ほど看護師服が支給されます。でも、病院から支給される看護師服は、大体″ダサい〃んです。女性ですから「おしゃれ」な看護服(白衣)を皆、自分で購入して着ていることが多いというのが実情です。

最近はインターネットでも購入できます。看護師には、おしゃれでお馴染み、下着の通販会社・セ○―ルや、オフィス通販でお馴染みのア○クルも看護師服の通販をしていたりします。

病院によって条件は違いますが、例えば色だったら「白ならOK」とか、「自・ピンク・ブルーはOK」とか、大体のアウトラインだけ規定があって、あとは自由なところが大半です。

規則がゆるいところだとグレーや緑もOKだったり。看護師服も昨今は、おしゃれでカラフルなのです。もしかしたら病院によっては、規定の制服があるところがあるのかもしれませんけど……私の知っている病院は大抵このような規定になっています。

おしゃれな看護師スカート、パンツも自由に選べます

私は今のところお気に入りのおしゃれな着慣れたワンピースですが、看護学校時代の同級生も久しぶりに会ったときに、「とうとうバンツにしたよ」って言っていました。

患者さんを持ち上げたり運んだり、力仕事が多い看護師の仕事。それこそ、場合によっては汗だくで病院中を駆け回るわけです。ドラマやマンガではミニスカートが主流ですが、私たちから見たら「ありえない!」。

看護師制服のコスプレ
参考:SHOPLIST.com

男性の夢を壊すようで申し訳ありません

あんなスカート丈じゃとてもじゃないけど働けません。

看護師服のスカート丈やデザインに関しては、時々フロア内で〃流行〃が発生することもあります。私が働き始めた頃は、看護師服にルーズソックス風の靴下を合わせることがなぜか流行ったっけ…… 「遠い、おしゃれでしょ?」。

同期たちと○○メーカーのこの制服が可愛い、と情報交換したり、若気の至りでスカート丈をちょっと短めにすることに優越感を抱いていたときも、一瞬ありましたね。

でも、すぐその流行はすたれましたけどね。

前述のごとく「気を遣ってる余裕がない」という理由で。かといって、まったく女を捨ててしまうのもそれはちよっと、と思うわけです。

看護師に残されたおしゃれの発揮しどころは、ピアス、ネツクレス。

このふたつに関してはOKとされている病院が多いようです。ちなみに指輪は既婚者のみOKです。看護師を見たら、この辺もじっくりチェックしてみましょう(怪しまれないようご注意を)。

彼女たちのおしゃれな個性が出ているはずです。

もちろん、あまりに、派手なアクセサリーをしていると師長や先輩に怒られます。でも、時々ピアスもネツクレスも化粧もすごく派手なのに怒られてない人っているんですよね。それはなぜか? なぜなら彼女たちは、″仕事ができる〃から。

おしゃれなで仕事ができる看護師は、誰も文句は言わない、ということ

こういうわけで、看護師も目立たないところでおしゃれ心を発揮しているというわけです。ただ、看護師共通の悩みとしてあるのは、看護師服代、クリーニング代もバカにならない、ってことでう。

看護師服は人によって自分で洗ったり、クリーニングに出したり、病院内のクリーニングに出したりとまちまち。でも病院内クリーニングも、大体後から請求されるんですよね。

血液がつくと大抵病院内クリーニング送りです。″血が付いてます″とメモを貼って出すのがルールです。汚れる作業をするときはそれ専用のエプロンや、使い捨て式のエプロンがあるから大体大丈夫なんですけど、それでも結構汚れることが多いのです。

看護師服代もクリーニング代も出してくれる病院があればいいのになあ……と夢見る今日この頃です。

看護師の人気の小児科、不人気な呼吸器&循環器科

可愛い小児科の看護師さん

私が今いるのは、循環器科。以前勤めていた病院では神経内科にいましたが、時々、「同じ病院でも、ずいぶんと科によって違うんだなあ」、と思うことがあります。

扱っている症状が違うというのもありますけど、科によって病棟のムード、患者さんの平均年齢、先生や看護師の雰囲気まで違ったりするんです。

配属は、人気のある科以外は大体希望通りになります。

小児科はおしゃれな看護師の一番人気

「子供が好きだから」というスタンダードな理由から、「子供相手だから、体力的に楽そう」理由は様々ですが、抱えたり支えたりしやすいだけに、確かに体力的には小児科の方が楽かもしれません。

小児科に勤務する男女の看護師

でも、病棟中を駆け回る子供と、おっかけっこしている小児科の看護師を見ると、これはこれで大変だよな!とは思いますけど。実は私は、”小児科だけは行きたくない″というタイプです。

すいません、そんなに子供が好きじゃないんです……。可愛いとは思うんですけど、おじいちゃんやおばあちゃんたちと接している方がなんか楽しいな、って思っちゃうんです。

加えて、小児科は家族の人、特にお母さんがピリピリしてることが多いというのも小児科が苦手な理由です。自分の子供が病気になったら神経質になってしまうのは分かるんですけど、私はどうもそういう姿を見るとひいてしまうんです。

そうは言っても、小児科は看護師の中で、常に一番人気でおしゃれな看護師が多いのも事実なのです。それだけ魅力を感じる人も多いんでしよう。

看護師に不人気な科は、「呼吸器科」

理由はズバリ、

「見ていて苦しそう」

どんな科でも患者さんの苦しそうな姿を観るのは辛いものですが、呼吸という、ダイレクトに死に結びつきやすい器官を扱っているからでしようか。

苦しい思いをしている患者をいたわる看護師

次に不人気なのは、私が今いる「循環器科」。

どうやら、他の科から「循環器の看護師=怖い」って思われているのが大きな原因みたいです。確かに、私も循環器に移るまでそう思っていました。

どうして怖いかというと、循環器科というのは狭心症や心筋梗塞といった心臓疾患、高血圧症などの治療をしているんです。そのため、循環器科の看護師は心電図を読めることが必須とされています。

ただ逆を言えば、他の科の看護師は、心電図を読めないことが多いもです。

そうすると、例えば循環器の病棟が満床で他の科にまわされた場合、まれに循環器の看護師からプレツシャーをかけられるという事態になってしまうことも。

つまり、

「心電図読めないでしょ?何があっても知らないわよ!!」

という圧力になります。

ですから、おしゃれに気遣っている看護師はあまりいない循環器です。また、患者が他の科に回されると嫌がられてしまうこともあります。循環器系で入院したのに他の科に回されたら、

「……なんか看護師が冷たいかも、ぜんぜんおしゃれでもないし….」

って感じてしまうかもしれません。そう思ったとしても、それはあくまで看護師間の事情によるものです。患者さんに非はないはずです。先に謝っておきます。ごめんなさい。

看護師がどんどんが辞めていく

先々、看護師になりなさい。
参考:岩本couple 

「うちのフロア、今年度はプラス2スタートだったのにさ、2カ月もしないのにもう2人リタイアで、結局プラマイゼロだよ」

「マジで?でもいいよ、うちも結局、去年は早い段階でマイナスだったもん」

「今年はマイナスにならないことを祈るしかないよね、お互い」

これは、先日別の病院に勤める看護学校時代の同級生と話していたときの会話です。〃プラス″とか″マイナス〃って? とお思いでしょう。これは、”看護師の数”のことです。

看護師の仕事場は大きく分けてふたつあって、ひとつは診療に来る人の治療やケアをする外来勤務です。

そしてもうひとつは、入院患者のケアをする病棟勤務。これはこの病棟勤務での話なのです。

ベッド数、15対1と10対1という言葉があります

これは、ベッド数、つまり入院患者に対して何人の看護師を置いているか。つまり″15対1″だったら、患者さん15人に対し看護師がひとり、″10対1″だったら患者さん10人に看護師がひとりとなるわけです。

隅々までケアが行き届くということで、ひとりの看護師が担当する患者さんの数はなるべく少ない方が、患者さんにとっては″いい病院″です。

ただ、患者さんに対する看護師の数を増やせば、人件費がかさみます。それを補填するために、看護師の数を規定通り確保している病院には、医療保険から診療報酬が出るという仕組みがあります。

この診療報酬は、これまで15人、13人、10人の3つに分けられ、10対1の病院が一番診療報酬をもらえました。しかし2006年度の制度改定でなんと”7 人″の区分ができてしまいました。

一般病棟入院基本料区分別収支状況

参考:厚生労働省保険局医療課

仮に、患者さんと看護師の対比が10対1だった病院が7対1の比率を確保しようとすると、単純計算しても、看護師の数を約1,4倍に増やさないといけないわけです。

しかしもし″7対1〃が実践できれば、これまで以上の診療報酬がもらえます。

病院を経営する側にとってはうれしい話ですから、看護師を何とか増やそうとする。ところが、13対1、15対1になったら、診療報酬が減ってしまう。だから、各病院で看護師争奪戦が激化し、元々慢性的な看護師不足だったのに、昨今ますます深刻な事態になっているわけです。

新人看護師が入ってきて配属される4月、新人看護師はおしゃれにキメて配置されてきます。病棟ではもちろんこういったことを見越して人員配置が行われています。むろん、最初は余裕を持って多めに配置します。

これが冒頭の”プラス2″という言葉。つまり、規定の数よりふたり多かった、ということです。多ければ余裕をもってローテーションできますからね。

ところが。これが、なかなか思い通りにはいきません……。6月、7月頃にはあっという間にマイナスに、というのが現実です。看護師が辞めていくんです。

ダサイ看護師、おしゃれな看護師でも辞めづらい仕事です

よく一般企業では、「退職は3カ月前に申請」などといいますよね?でも看護師に関しては半年前に言うのがベスト、そのくらい辞めづらいことが多いのです。

病棟内での仕事の割り振りや、代わりの人員の確保とかを考えると、半年はかかってしまうのです。でも、じゃあどうして夏を待たずに大体マイナスになっているのか。

それは、もう、突発的に辞める人は辞めるからです。それだけの話です。

「看護師を選んだワケ」でもそんな人の話を書きましたが、一番すごかったのは、私が働き出して3年目のときの話。それまで普通に働いていた2ヶ月目の新人看護師さんが、日勤(17時に終業)の上がりのとき、

「お疲れ様でしたぁ、私辞めますから」

と言い放ち、そのまま辞表を出して退職……ということがありました。残された方は「え? え?」という反応しかありません。そりゃそうです。そしてその日以来、彼女がその病院に来ることはありませんでした。

確かに、理想と現実が違っていてショックを受けるのは分かります。待遇に納得いかなかったり、病院内の雰囲気が合わなかったのかもしれません。

でも、せめてもう少し気持ちの整理をさせてほしかった……。

おしゃれな彼女みたいな看護師が辞める度に、「そんな理想の病院なんてどこにもないのにね」と、残された私たちは、愚痴をこぼすことくらいしかできません。

まとめ

いつか彼女たちが、看護師の現実に気付く日は来るのでしょうか?というか、看護婦を続けているかということ自体謎ですけどれどもね。

あと、どうしても女性ばかりの職場だと、病気や妊娠でリタイアする人も出てきます。

こればかりは仕方ありません。妊婦になってもギリギリまで働かざるをえない過酷な看護師ですが(コレに関しても詳しくは後ほど)、でもやっぱり妊婦に夜勤をさせるわけにはいきません。これが看護師不足看護師不足の現状なのです。

そうして、大体最初は十数人配属されている病棟で、マイナスになるのなんて本当にあっと言う間です。そして夏あたりには「……またマイナスか」とため息をつきながら勤務しているのが看護師の毎年の恒例に。

だから、春になると、「今年こそはマイナスになりませんように、おしゃれな看護師を維持できますように」と祈らずにはいられないのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。