看護師がうつになった場合のスタッフや家族の支え方

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うつになった看護師Aさん

家族や知人の誰かが「うつ」になった場合、周りの方がサポートすることがとても大切になります。というのは、家族や周りの理解や協力、サポートのあるなしで、回復経過が大きく左右されるからです。

「うつ」は周りの無理解な言動が症状を悪化させ、回復を遅らせることもあります。「うつ」はゆっくり静養することが一番大切です。特に家族の協力が欠かせません。

また、「うつ」の方は、真面目で責任感の強い性格のため、家族や会社に迷惑をかけて、申し訳ないと思っていることが多いものです。その辛さは、本人にしか、なかなか分かりづらいものです。

身近な家族が理解を示し、寄り添っていくことで、本人の気持ちを支えてあげることが大切になります。

「うつ」に関して知っておいてほしい内容

  • 病気であるが、本人は心配かけまいと無理を続けていた。
  • 心身のエネルギーが乏しいのは、病気であることを共に知る。
  • 誰もがかかる可能性があるのが「うつ」である。
  • 「うつ」は薬物治療と休養、栄養が大切である。
  • おっくう感や引きこもりの段階では、無理な活動の声かけはしない。
  • 焦りはまだ症状が残っている証拠であり、退屈感がでるまで出勤や登校は控える。
  • 再発予防のため、勝手に薬は止めない。

等があります。

これらのことは本人や家族また職場の仲間。上司の方も再確認し、知っていただきたい項目です。

以前の記事に書きましたが、周りのサポートの例では、看護師Aさんは、職場環境から「うつ」を発症しました。看護師Aさんは生真面目で、几帳面、自己主張をしない、周りの評価が気になるなどの性格の看護師です。

看護師Aさんの職場では、上司の看護師は、良かれと思って、休養中も励ましの電話をしていたことで、看護師Aさんは自宅で休養中携帯が鳴る度いやな思いをし、携帯にでることができなくなりました。

うつになった看護師Aさんの性格は、あやふやなではなく自か黒かという、物事をはっきりと区別する性格の看護師でした。そして、自分の意思決定で実行していくタイプです。看護師のうつの実例kらくる予防対策を是非お読みください。

親切心が逆効果になる場合もある

このように、良かれという思いで連絡をしていたことが、本人にとっては辛い出来事になるという事例があります。

職場の方は、上司であれ、仲間であれ、本人に連絡しても良いのかの確認をされてからの対応が望ましいと思います。

「ゆっくり何も考えないで休養してください」と医師から説明を受けること。

「1日でも早く治らなければ」といった焦りや、「こんな病気になって情けない」という自分を責める気持ちは、治りを遅くすることになります。

そのため、本人も家族も焦らないことが大切です。

また、本人のため、良かれと思い「早く良くなってね」「頑張ってね」「しっかりしてね」等の励ましの言葉がけは、「早く治さなければ」「もっとがんばらなければ」といった気持ちを本人に抱かせることになります。

特に「うつ」の初期はこのような言葉が、さらに気持ちを落ち込ませることになります。
言葉かけをする際は、本人の話をゆっくり聞き、今の辛い思いをわかろうとすることが大切なのです。

また、さまざまなアドバイスをしたくなるかも知れませんが、初期の時期は「あれしたら」「こんなふうに考えたら」などを伝えることで混乱する場合もあるので、気をつけましょう。

「うつ」を追い込む言葉7つ

  1. 元気を出しましよう。ここで頑張らなければ、どこで頑張るのよ。
  2. しっかりしろ、気の持ちようだ。
  3. あの頃のお前はどこに行った。期待しているんだから
  4. あなただけが頼りなの。働いてもらわないと困るの。
  5. 家の中が暗い。子どもが真似して登校拒否になったらどうするの。
  6. 気分転換にカラオケヘ行こう。飲み会でも連れて行くよ。
  7. サプリメントとかを飲んで頑張ろう。

このような言葉は、けっして悪気があって言っているのではなく、良かれと思ってかける言葉です。しかし「がんばれ」はその人にとって今以上に頑張りをしなければいけないと自分を追い込むことになります。

このような言葉をかけるよりも普段通りの会話をしてください。朝晩の「あいさつ」など、あまり気を遣いすぎない程度の振る舞いをしましょう。

周りが見守ること

時として言葉かけより、見守りをすることにより本人は気が休まることもあります。気遣いをされることで、また疲れが強くなることもあります。

家族は一日中お互い顔を合わせているからこそ、他人とは違う難しさがあります。家族の方も気分転換をしましょう。

家庭の主婦であれば、夫や子どもという家族、家族以外の職場の人の理解と協力が欠かせません。「うつ」は脳の機能が低下した状態です。そのため活動も低下していて動きたくても動けません。

主婦の場合は、料理や家事、買い物などの動作が思うようにできません。朝起床後、家族のために少しでもできることをしようという気持ちはあるのですが、体がだるくて、しんどくなります。そんな状態を見て、家族の方々は怠けていると思うかも知れません。

本人は思うよう動けない自分を「なさけない」と責めてしまいます。
病院勤務の看護師の場合では、休養し、家の中で何もしないでゴロゴロしていることを「ほかの看護師に迷惑をかけている」「早く仕事をしなければ患者が待っている」と自分を責めてしまいます。

家庭ではゆっくり休養ができる環境が必要となります。だからこそ家族の協力が欠かせないのです。

怠けているわけではない

人によっては、こういういう状態が続く期間は数力月から数年という違いがあります。ある方は、7年間「うつ」と付き合っています。落ち込みが数力月持続し、その度休養をしながら仕事をしています。

「看護師Aさん」のケースの場合、は約3年以上、低空飛行が続く状態でした。長くなればなるほど看護師のうつ看護師のうつは周りの理解が必要になってきます。患者さんへの対応から逆に自分が患者になるのですから。あきらめないで、そっと寄り添ってほしいと思っているはずです。

サポートしている家族の方は、「うつ」の方と四六時中一緒にいてあげたい、どうにかして元気にしたいという気持ちもあるかと思いますが、サポートする人も休養が大切です。

自分なりの気分転換をみつけることがとても大事です。短時間でも一人の時間をつくり、外出するなり、趣味を楽しんだりすることで、サポートする長続きのポイントとなります。

あまり神経質にならないで、自由な気持ちで、なるべくいつものように接してください。身近な人は、「うつ」の人とつきあうのに、はれ物にさわるような特別扱いはしない方がいいのです。

いつもの通り自然な態度で、見守って行きましょう。

まとめの5つのポイント

  1. 必要以上に気を使いすぎない(いつものように)
  2. 誤解は早目に解きましょう(気のせい)
  3. 本人さんのペースを大切にしましょう(無理強いをしない)
  4. 問題点を明確にしましょう(問題解決の方向性ではなしあう)
  5. 励ましの言葉はさけましょう

年間約3万人を超える自殺者がいます。その三分の一から二ほどは、「うつ」のために命を絶ったと推測されています。「うつ」で死んでしまったと聞くと、やはり私自身気持ちが潜みます。

「うつ」で死んでしまいたいという気持ちが、最も強い重症期には、あまり起こりません。むしろ回復期や初期に多いと言われています。重症期は自殺する気力や体力、決断力がないからです。

初期は、やる気の乏しさに一人で悩み、自責の念などが重なり、死を選んでしまうと言われています。また治療によって気力や体力がもどったものの、「うつ」気分や不安、焦りがまだ残っている頃に「死」を選んでしまうことが多くなります。

そのため、周りの人は注意する必要がありますし、本人の「死」をほのめかす言葉に注意しましょう。

  1. 「死んでしまいたい」「死んだら楽になれる」「消えてしまいたい」という死を匂わす言葉を言う。
  2. 「ダメな人間に生きる価値などない」「恥じた人生を終わりにしたい」という自分を責める言葉を使う。
  3. 「受け入れてくれる世界などない」「誰も理解してくれない」という世をはかなむ言葉を言う。
  4. 「いろいろお世話になりました」「数々の迷惑を許してください」という別れの言葉を言う。
  5. 「何もかも失った」「将来がみえなくなった」という絶望感の言葉を周囲の誰かになんらかの手段で表現している。

言葉だけではなく行動にも注意を払う必要があります

  1. 急に回数が少なくなり、妙な落ち着きがみられる。
  2. 何事にも関心を向けず、人との接触を避ける。
  3. 日記や手紙・アルバムなどの整理を始める。
  4. 貴重品や身の回りの品物を譲る。
  5. 薬をためる。
  6. 遺書を書く。

等の日常生活の変化は、危険なサインとして現れることもあります。

「死」を決意したとき、家族を避け、部屋にこもり、誰とも話をせず、孤立することが多いと言われます。このような場合、家族や身近にいる人が、本人を一人にさせないように注意が必要です。家族がそばにいるだけで、本人は癒されるし、安心します。

一人で「うつ」と闘うのではなく、家族みんなで「うつ」と闘うのだという気持ちが大切だと思います。「うつ」の人にとって家族は「最後の砦」になるということです。

家族や友人が「この人、うつかもしれない」と思えば早目に病院やクリニックでの診察を受けさせましょう。しかし、診察を受けさせたいと思ってもどんな医療機関に行ったらいいのかに迷うこともあります。

ちなみに「医療機関」とは医療行為を行う組織の総称です。「病院」「診療所」「医院」という機関があります。

「うつ」などのメンタル疾患を担当する診療科は「精神科」「心療内科」になります。また「精神科」は医療機関によっては「精神神経科」「神経科」「メンタルヘルス科」「メンタルクリニック」などのメンタルヘルスを中心にした診療科になっていることが多いものです。

「心療内科」は、病を心と体の両面から診ていこうという診療です。

ここで注意しなければならないのが「神経内科」です。神経内科は、メンタル関係の診察ではなく、血管や神経などの疾患に関する診療です。例えば脳梗塞やパーキンソン氏病などの疾患です。

病院を探すとき、「精神神経センター」「メンタルヘルスセンター」といった名称が含まれる医療機関には、ほぼ精神科関連の診療科があります。

うつの病院選びのポイント

ほとんどの「うつ」関係は通院となれば、数回では済みません。できれば、家から近い医療機関をお勧めします。また医師との相性もありますので、本人が納得のいく医療機関を選びましょう。

どうしても見つからない場合は、家族の中にかかりつけ医(内科)の医師がおられるのであれば、そのかかりつけ医に相談し、紹介していただくのも一つの方法です。

会社関係の方は、職場の産業医や産業看護師等に相談することをお勧めいたします。なぜならば、仕事で休養するということは、復職にも関係します。今の状態を知ることで、今後の対応にも関わってくるからです。

「うつ」はゆっくり休養することはもちろんですが、医師からの薬も大事です。家族の方は「うつ」本人がきちんと薬を服用しているか、それとなくチェックしましょう。

薬は症状がおさまっても、ある程度の期間は飲み続けることが必要です。薬の副作用で、眠気が一日中あることもあり、服用したのかどうか忘れることもあります。

薬に対する不信感

薬を医師の指示通りに服用できるように、家族の方が手助けすることも必要です。反対に家族の方が、「薬はクセになるから、よくないので飲まない方がいい」というようなことで、服用させないことも多々あります。これは間違いです。

うつの薬

もし服用後に副作用が辛い場合は、担当医に相談しましょう。再発を予防するためにも、症状が落ち着いても継続して服用することが大事です。

再発の原因の要素に、薬を服用せず、それに加えて通院も途絶えたことで、再度以前と同様に調子を崩すことがあります。ゆえに症状がなくなっても、医師の指示があるまでは治療を続けることが大切です。

「うつ」当初は医療機関への通院の際は、できる限り当分は、家族が付き添って行きましょう。それは、2つの理由があります。

1つは、本人が上手く症状や様子を医師に説明しきれないこともあり、そのようなときに、家族が本人の様子を伝えることで医師は把握しやすくなります。また、薬の内容についての説明を家族にも伝えることで正しい服用ができます。

もう1つは、本人の安全のためです。時期によっては、発作的な自殺や事故を防ぐためのものです。
「うつ」の薬を一度飲むと一生飲み続けなければならないと思っている方が多いのも事実です。

再発を何度か繰り返している方の話を伺うと「調子よくなって仕事もできるようになったから、止めました」というのが私の知るほとんどの方の言葉です。

医師の指示もないのに薬の服用を止める

ある看護師Gさんは、最初はパニック障害を発症し治療をして落ちついたこともあり、調子も出てきたので、自宅付近のクリニックでアルバイトの仕事を始めました。

この看護師Gさんはもともと頑張り屋の性格もあり、時間外勤務や頼まれた仕事を次々と引き受けたことで、体調を崩し「うつ」を発症しました。

その後思うように回復しないため、当カウンセリングルームを訪れました。このように、医師の指示を無視して自己判断で薬を止めることが、どういうことになるかをこの看護師Gさんは説明を受けました。

もう過ぎたことはどうすることもできないので、これから看護師Gさんがどのように生きていけばいいのかを話し合うことになりました。

何度も述べますが、「薬」は自己判断で調整するべきものではありません。

仕事や家庭でうつ的な症状がでているにもかかわらず、受診をいやがることはよくあることです。頭ごなしに「とにかく病院に行きなさい」と無理にすすめたりするのはよくありません。

また、うそをついたり、だましたりして精神科へ連れていくのもよくありません。病態によっては、興奮して怒りだすこともあり、診察にならないこともあります。

本人とよく話をして、ある程度納得して受診することが大切です。

まとめ

家族に受診をすすめる場合、本人の今のありのままの状態を、具体的にゆっくり伝えましょう、と。「今のあなたは、食欲もないし、夜もあまり眠れていないことも多いし、最近疲れているように思うの、私はあなたが心配なの、だから一度病院で診てもらいましょう」という言葉がけをしてみてください」と説明が必要です。

本人は、自分の辛さはよくわかっていると思います。受診するきっかけをつくるのも、家族のサポートの役割でもあります。それでも受診を拒否する場合は、家族の方が、専門医に受診し相談しましょう。

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