看護師の仕事内容は汚い、きつい、危険の3Kではなく5Kです

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

私たち看護師の仕事といえば、よく他の職業の人から「3Kなんじゃないの?」と言われがちです。

3Kというのは、きつい、きたない、危険の略。

この他にも時々「厳しい」や「帰れない」のKも加わって5Kだったりすることもあるんですけど……。でも「よくそんな大変な仕事できるよね」という目線で見られると、ちょっと違和感を覚えるときもあるんです。

看護師は生死に関わる激務に従事している

まず″きつい″。たぶん、これにはふたつの面の″きつい〃イメージがあるんです。

ひとつは、勤務が不規則そうだし、重労働なんじゃ……という〃肉体的なきつさ〃。そしてもうひとつは、看護師は生死に関わる仕事をしているというイメージの″精神的なきつさ″。

確かに、肉体的にはきついです。立ちっぱなしだし、患者さんの身体を支えたり動かしたりするのはかなり重労働。ですから、ベテラン看護師になると、もれなく〃たくましい二の腕〃が付いてきます(笑)。

皆さんも、病院に行ったときに看護師の腕をチェックしてみてください。どんなに見た目が可憐な看護師でも、みんな筋肉質のしっかりした腕をしているはず。

激務に耐える看護師。

私も、どんどん太くなっていく自分の二の腕を見ながら、

「ああ、私もベテランになっていくんだなあ」としみじみすることもしばしば。

看護業務は週休二日

でも、これは″帰れない〃というイメージにも言えることなんですけど、看護師ってちゃんと週休二日なんですよ。

ちよっとした気のゆるみが生死に直結している仕事だからこそ、逆にちゃんと休めるし、無茶な残業もない。

よくサラリーマンの話で、残業が月に数十時間、百数十時間、休日出勤は当たり前、なんてエピソードを聞きますけど、看護師からしたらあり得ない状況です。

(いや、もしかしたら勤務条件が劣悪な病院だったらあるかもしれないんですけど……少なくとも、私のいた病院や、知っているところはそうです)。

精神的なきつさに関しては、確かに生死に関わる現場にいる厳しさ、というのはあります。

でもこれに関しては、後でお話ししますけど、それよりも患者さんの家族と医師の間で板挟みになったり、師長(一般的に言う婦長のことです)や先輩から理不尽なことで怒られたり、ということの方が辛かったりするんですよね。

そういう 人間関係での悩みって、どんな仕事をしていてもあると思うんですよ。

だから”看護師だから辛い″という訳ではないんじゃないかな、と思います。

汚い仕事や危険な仕事も看護業務のうち

まぁ、患者さんの便や尿の処理だったり、血や膿や痰や、慣れない人から見たら「うわぁ……」と思うものを平然と処理していく姿を見たらそう思われるのは無理ないかもしれません。

でもこれに関しては″慣れ″です。私も実習生のときや、新人のときはちょっと抵抗ありましたから。でも、汚れた患部や身体をきれいにしてあげたときつて、大体皆さん本当に気持ち良さそうな顔をされるんです。

その表情を見ると「きれいになって本当に良かったね」とこちらも心の底から思えて、なんとも言えない爽快感があるんです。やはり、看護師の役割看護師の役割を味わえるという特権でもあると思います。

看護師が関わる危険な仕事

これに関しては、その看護師がいる科によりけりかもしれません。正直、時々「危険」かもしれない、と思うことはあります。

それは、例えば認知症や脳症の患者さんが暴れてしまったとき。

私は今は循環器科にいるのでそういうことに出会うことはほとんど無いけれど、前にいた病院で神経内科に勤めていたときは高齢の方が多かったので、時々そういった現場に出くわすことがあります。

もうそうなったら大変です。看護師や先生が総出で患者さんを押さえて、さながら修羅場。男性看護師が多い精神科や救命病棟が本当にうらやましく思えたものでした。

余談ですけど、このふたつの科に関しては「力が強い男性が必要」というイメージがあるみたいで、病院側もわりと優先的に男性看護師を配属します。

でも、脳梗塞や脳卒中など、脳に関する病気も扱う神経内科も実はかなり男手が欲しい!と思うことが多いんだけど、それはなかなか分かってもらえないみたい……これは少し辛いところです。

こうやって書くと、看護師の仕事ってやっぱり大変!と、思われても無理はないかもしれません。でも、それ以上にメリットもやっぱりあります。

看護師の仕事のメリット

私も含め、同僚の看護師たちの一致した意見としてあるのは、給料が高い、休みが自由に取れることです。

看護師の年収がほかの職業と比べて良い!

給料に関してもまた後で詳しく説明しますけど、20代までは同世代の男の子たちと比べても結構高い年収になります。これを一度知っちゃうと、やっぱり生活レベルは落とせないよなあ…… って思ってしまうのが本音です。

看護師の年収の推移。

看護職の経験年数別賃金のカーブ。

参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査

そして休みに関しては、どうしてもローテーションで平日休みが多くなるけど、それでも月に1回は大抵土日に休めるし、事前に申請しておけば大体希望日に休めます。

同僚と平日に旅行や買い物に、なんてのもへっちゃらです。

これを一度経験しちゃうと、わざわざ混んでる土日に出かけるのがバカらしくなってくるので、私は平日休みの方がうれしいくらいです。

そうそう、看護師といえば「夜勤が多くて大変なんじゃ?」っていうイメージがあるかもしれないけど、皆さんが思うほど夜勤って多くないんですよ。

私の場合、大体週に1曰くらい。夜勤明けで平日の昼間に思い切り朝寝坊できるっていうのも、密かな快感だったりするんです。

看護師仲間との交流。

同僚たちと話していて一致した意見、

「たぶん私たち、もう9時~5時の仕事って無理だよね」

ラッシュの電車にもまれて、月曜日から金曜日まで毎日同じ時間に出勤して、って無理だよなあ……と、お昼くらいに起きてワイドショーを見てると、ひしひしと感じるんです。

だから看護師は、周りから言われるほど″3K″ではないし、逆にメリットを知っちゃうと″なかなか辞めづらい〃。

実はそういう仕事なんです。

看護師という仕事を選択したワケ

同業者以外の人と話をしているとき、「なんで看護師になったの?」とたまに聞かれることがあります。

私の場合、中学校3年生くらいから高校1年生のとき、漠然と「理系に行きたい」と考えていました。しかし、それは「理系=文系よりも就職に有利」という、ものすごくアバウトなイメージのせいです。

手に職を付けて稼ぎたい

で、そういった条件に合う仕事は何だろう、と、いろいろ考えていたり、学校の先生に相談しているうちに、一番合うかなと思った選択肢が看護師でした。

さらに、大学受験を考える周囲を見ていて、「あそこまで勉強したくないなぁ」と思ったのも事実です。

でも、このような本音を言うと、たまに拍子抜けされてしまうこともあります。きっと「人の命を救いたい」とか「自衣に憧れて」という答えを期待していたんでしようね。

でも、現実はこういうものなんです。

時々、同僚、先輩、後輩たちとも看護師になったきっかけについて話し合うことがありますが、その度に、「みんないろいろな理由があるんだなあ」と思います。

ちなみに一番多いのはやはり、「手に職を付けて稼ぎたかった」

これに関しては、一般的なイメージからそんなにかけ離れてはいないかもしれません。看護師=専門職、というのは間違ってないし、どこでも看護師不足って言われている昨今、資格さえ持っておけば将来職に困ることはありません。

ほかに、「テレビの医療もののドキュメントとかを見て憧れて」という人も多いのが事実です。それから、たまに「母親が看護師だったから」と。

別にこの仕事は世襲制なわけではないけど、きっと″看護師″としても″母親〃としても憧れるお母さんだったんだろうなぁ、そう考えると彼女たちのお母さんを尊敬したい気分になります。

他には、こんな異色なきっかけの方もいられます。

子供と接する看護師。

後輩のNさんの志望動機です。彼女は高校1年生のときに交換留学でメキシコに行き、そのとき、ストリートチルドレンが普通に道ばたにいるような状況を体験して、日本との貧富の差に衝撃を受けたらしいのです。

帰国後、自分にも何かできないか、と考えた彼女は青年海外協力隊など、そういった海外支援の仕事に興味を持ちはじめます。それを高校の先生に相談したら、「行くんだったら、何かの資格を持ってないと意味がない。

「それだったら、看護師の資格はどう?」と薦められ、それをきっかけに今では中堅看護師のひとりです。

前の病院で同僚だったHさんの理由は、「人間の身体に興味があったから」理科の教科書とかを見ていると、人体の仕組みのページが、やたらと面白く感じたという彼女。

他の分野は全く興味が無く、骨格や臓器のところだけはなぜか興味津々だった、というから変わってるというか、向いているというか。そんな彼女は今、外科で日々手術に立ちあったりしています。夢が叶ったようですね。

間違えて看護師になってしまった人

数年前、以前私の勤めていた病院に入ってきた女性です。大学を出て某文房具メーカーでOLをしていたけど、やはり、この仕事への憧れが捨てきれず、看護学校に入学たという人で、年齢は当時で33歳くらいだったはずです。

ちなみに、このような方は結構多いのです。一度働いて、看護学校の学費を貯めてから退職、そして再度看護師を目指すというパターンです。看護師は他の職業に比べて、一度憧れてしまうとあきらめられない職業なのかもしれません。

そんな彼女が配属されたのは入院患者に老人が多い神経内科でした。すると、その人は入ってきてすぐ、みんなの前で一言、「私、子供と接したくて看護師になったんです。だからこういった仕事、したくないんです。」

もう、驚きを通り越してその場にいた全員がポカーンとしてしまいました。

彼女にとって、看護師というのは「子供と戯れている自衣の天使」みたいなイメージだったようです。

ところが入って配属されたのは、私たちが「ある意味、老人介護病棟だよね(笑)」と時々自嘲していたほど高齢者率の高いところ病棟です。

排泄や痰詰まりのケアといったものがどうしても多いので、多少気持ちは分かりますが、それにしても、あまりにもひどい発言でした。というか、自分の理想が現実とかけ離れているということに看護実習で気付いてほしかったです。

結局、彼女は3ヶ月で辞めていきました。その後、念願の小児科で看護師を続けているのかどうかは知るよしもありません。

まあ、これは極端な例ですが、「なんとなく」「先生に勧められて」という人も多いです。

「高校生の時に、そんなにたくさん職業があるなんて思わなかったよね」、これが、同期たちとこの話をしていたときに一致した意見です。

まとめ

このように、さまざまな職業が世の中にあるなんて、十代の時に知っていましたか?大多数の人が、保母さんとか警察官とか、自分が接する身の回りの職業くらいしか頭になかったと思うんですけど……看護師を目指していたのは私たちだけなのかなぁ、と思うときがあります。

でも、看護業務に専念することに、後悔しているかというと、そんなことはまったくありません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。