バラエティ番組でのニセ看護師の暴露話~驚かないで!

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ふんどし医者{おバカかな?)

医者がスタジオに並んで座らされ意見を言わされる。こんな番組が増えているようです。

『爆笑問題&日本国民のセンセイ教えて下さい!』(テレビ朝日系)、『医者ズバッー』(TBS系)、『ニッポンの病院100%活用術サイテー病院に怒り爆発―』(フジテレビ系)、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)など、過去に他人事のように言っていた私はそのいくつかに顔を出したことがある張本人。

医者の愚かさの実態を暴露してみようかな。 驚かないで!

テレビでの私の発言は、いつもカラ回りでとんちんかんで独善的。噛むはかぶるわ。ネクタイは曲がり顔はぶくぶくで背中が曲っていて姿勢も悪い。自分で見るに耐えません。

それにああいったものは作り手、つまり番組制作会社の意図する主張に合致した発言だけがうまい具合に編集されて放送されると考えてください(言い訳ですが…)。

〃これは決まった―″という起死回生の発言は必ずカット。放送されません。だから最近では自分が出演した番組の放送は絶対に見ません。いつもがっかりさせられてきたからです。

でもだからといつて番組がいい加減というわけではありません。

医療ミスを病院はなぜ隠す?

病院長の暴露話が紹介されていました
出典:イベントジャッジ

テーマは重大で作り手の取り組み方は真剣です。番組の出来上がりが悪いとしたら、私をはじめとした出演する医者の資質の問題でしょう。

疑わしい看護師の暴露話

そんな番組の中で、顔を隠し、声を変えた看護師さんが病院の内情を暴露するビデオが流されることがあります。素人が見ると看護師に見えるのでしょうが、私にはまったくの作り物のニセ看護師にしか見えません。

第一どうして覆面で登場するのか。意見があるならどうして堂々と名前も顔も出さないのか。

「誰だかわかるともう働けな~い」ってか?
テレビで指摘したいほどの問題点を感じているのにその職場にはずっといたいわけ?
「それってお前も共犯者じゃねえか!」って誰でも思いますよね。

しかもスタジオで聞いた具体例をあげると、ひどい病院があって「注射器を使い回しする」という、何の理由もない、どう考えてもあり得ない話が紹介されることがあります。

ある番組では「ウチの病院長の愛人は病院の屋上のヘリポートにヘリコプターで舞い降りる」という暴露話が紹介されていました。これはさすがに放送ではカットされました。番組製作スタッフに良識的判断を説いたからです。

この暴露話を紹介する意図は、その病院長が、

  1. 不当な暴利を貪つて大金持ちになった
  2. ヘリコプターを所有してそれを自己顕示している
  3. 愛人を作るという不道徳な行為をしている

したがってこの病院長はとんでもない奴であり、これは社会として糾弾しなければならないと番組は主張したかったのでしょうか?

自己顕示、利益を生み出さないことに浪費する人は真の貧乏人

わが国においてどのような職業の人であれ、お金を儲けて愛人をヘリコプターで移動させる。こんなお金の使い方をする人がいるのでしょうか。私はお金持ちとはお金の使い方をものすごく良く知っている、どちらかというとケチな人のことだと思います。自己顕示のためとか、利益を生み出さないことにお金を使う人は正真正銘の貧乏人です。

もし仮に百歩譲って、このような病院長がいたとしても、自分のオ覚で蓄えたお金をどのように使おうが、それは本人の勝手です。それだけで「お前はとんでもない奴だ!」と非難されてしかるべきなのでしょうか。お金を持っているという理由だけで人を非難するという行為は、非難するほうが貧しい心の持ち主であることを赤裸々に告白しているようなものに思えます。

冷静に考えれば、病院のヘリポートにヘリコプターを着陸させるためには行政府からの許可が必要です。本当にヘリコプターが下りてきたのであれば、それなりの手続きを経ていたはずです。決して誰かに迷惑をかけているわけではありません(騒音はあるでしようが…)。

医者への偏見

たまたま彼が医者だったということが問題なのでしょうか。私には「医者だからお金持ちになってはいけない」「医者だからお金持ちになってもそれを自由に使ってはいけない」と言っているようにも聞こえました。

つまり「金持ちの不道徳な医者をやっつけろ―」というやっかみをはらすための低俗な発想です。それに病院のヘリポートに「愛人」を乗せたヘリコプターを着陸させるという、超目立つパフォーマンスをやらかして、奥さんにばれないのでしょうか?

そんなバカな奴がいるのでしょうか?。まったくおかしな話です。

ちなみにわが国の病院がヘリコプターを所有している例は全国でも十件程度しかありません。つまり根本の発想が低俗でもありますが、嘘やでたらめとしても非常に幼稚な話なのです。

  • 医者は勉強ができる。
  • 医者は金が儲かる。
  • 医者は女にもてる。
  • 医者は特権階級だ。

必ずしも女性にモテない医者

言うまでもなく、これらは虚像です。勝手な妄想が作り上げた偏見です。相当なバカでも医者になっていますし、貧乏している医者はごまんといます。医者だからといって、必ずしも女性にもてるわけではないことは看護師である皆さんが一番よく知っているでしよう。

それなのに社会の偏見がこれらの虚像を作り出し、医者に対するゆえ無き嫉妬心を生み出しているのではないでしょうか。医者をメタメタにこき下ろして憂さ晴らしする。

視聴者の嫉妬心をテレビ番組が晴らせば視聴率が取れる、と番組制作社側が考えたのならば、視聴者も相当にバカにされたものです。

「愛人を病院までヘリコプターで連れてくる」
この事実(?)を紹介して「なんじゃこりゃ―」とスタジオで騒いで…。これが医療の改革につながるわけはありません。こういった「うらやましい医者をやっつけよう」というテレビ番組の視点はいったいいつになったらなくなるのでしょうか。

魔がさした??

ただし、こういった看護師の暴露話では事実らしいものもたくさんあります。

  • 「医療ミスの隠蔽を看護師に指示した」
  • 「患者に金を要求した」
  • 「患者にセクハラした」

これらのケースは問題にすべきでしょう。医者の未熟な人間性や「魔がさした」ということもあるのでしょうが、個別の特殊なものです。しかしある面、医療のもつ根源的な問題を提示している出来事でもあるともいえます。

ところである看護師が勤務する病院でひどい医者がいた。そういった話を看護師がしているのを聞くと必ず二つの疑問が出てきます。

一つは「医者の教育」の議論になることです。
問題をまじめに考えれば、解決策が模索されるのも当然ですが、必ず「教育の問題」という話になります。

医師との衝突アンケート
出典;看護roo![カンゴルー]

医者に物事の常識、物の道理、正しいことと間違っていること、つまり「倫理」をしつかり教育すればこういう問題はなくなる、いう考え方です。

するとある人が「最近は大学でもそういう教育をやっています」と意見を言います。しかしこういった「倫理」は、そもそも教育するものなのでしょうか。教育して解決する問題なのでしょうか。そもそも誰が教育するのでしょうか。教育できる人が医学教育の現場にいるのでしょうか。

嘘、事実の組織的隠蔽、ごまかし、改賀、大事なことはカルテにわざと書かない、こういった「教育」は「大学病院の得意技」と指摘する人もいます。

「私はアメリカのほうでこの手術を二、三十例やってきました」

こう言えばバカな患者は信用して実験的な手術でも受けるだろう、こんな教育がなされているのが大学病院なのでしょうか。

組織的隠蔽

一九九六年に、ある大学病院で心臓手術中に人工心肺回路に大量の空気が混入して人工心肺を四十分間停止しなければならなかったという不幸な事故が起こりました。患者さんは残念ながらお亡くなりになりました。

当時の看護師や人工心肺技士の記録にこの事実はしっかりと記載してあり、病院中の誰もが知っていた周知の事実といえるのに、遺族にだけは事故のことを九年間も知らされていませんでした。

遺族が知ることになった契機は、もちろん内部告発です。よくある話です。ところが病院内で組織された調査委員会は「組織的隠蔽はなかった」と結論しています。しかもその理由を「病院内の多くの人が知っていたから」というのです。

病院内の多くの人が知っていて、肝心の遺族だけが知らされていない状態を「組織的隠蔽」と呼ぶのでなければ、いったいどのような状態が「組織的隠蔽」なのでしょうか?

ミスはいつでもどこでも起こり得ます。また、百歩譲って隠そうとする気持ちもわかります。でも、それがバレたら「ごめんなさい」と言わなければならないのではないでしょうか。

この後に及んでこんな言い訳をされたら、聞いてる方はもっと悲しくなります。こんな大学病院で医者の倫理教育ができるはずは絶対にありません。

そもそも教育すれば医者の倫理観が向上する、というのは激しく現実離れした考え方です。議論のための議論としか思えません。「倫理」などという難しい言葉を持ち出す必要はありません。

まとめ

医者は目の前にいる、自分の給料を運んできてくれる患者様にしつかりとした商売をすればいいのです。医療という商品を買っていただくことに徹すればいいのです。

ただし、お客さんに信頼されて、商品を買ってもらうには生半可な努力では通用しません。商売とは本当に厳しいものなのです。


この記事へ掲載している画像は、ふんどし医者|衛星劇場を参考画像にしています。

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