看護師の退職は穏便に退職したいので表向きの理由を伝える

看護師はとてもやりがいのある仕事ですが、反面、とても辛い仕事でもあります。
看護師国家試験に合格して、やっと正看護師の資格を取得し、毎年たく さんの新人看護師が新しいスタートをしているのに、まだまだ看護師が足りないのが現状です。それは多くの看護師が次々と退職してしまうからです。

表向きの退職理由

そこで病院を退職した看護師に退職理由をたずねたところ、結婚や妊娠・出産、育児やご主人の転勤、親の介護などの家庭環境の変化が多い。立ったままの作業の多い看護師ならではのヘルニアなど退職を余儀なくされる理由もあります。その他に、勤務体制や給料の不満、人間関係なども挙げられます。

しかし、これは全て表向きの理由です。「本音が言いづらいので、当たり障りのない理由を伝えた」という看護師が実に60%以上もいたのは驚きです。

看護職員の年齢階級別就業状況
出典:「衛生行政報告例」(厚生労働省統計情報部)

本当の理由はパワハラが多い

退職するときには問題を起こさず穏便に退職したいものですから、表向きの理由を伝えるのも納得ですね。それでは本当の理由は何だったのでしょうか?

本当の理由は、いじめやパワハラの人間関係だったのです。給料の不満、仕事にやりがいがない、福利厚生などの不満・・・などが続きます。

表向きの理由の家庭環境の変化は上位にも入らず、「人間関係」を挙げた看護師がとても多かったことがわかります。

転職先を選ぶポイント

現役の看護師が転職する際に、何を重視して転職先を選んでいるのでしょうか?転職を考えたときに、今の条件や状況よりさらに悪くなってしまうのは避けたいものです。
例えば、

  • 働きやすい職場の雰囲気(人間関係)かどうか
  • 給料や待遇の良さは自分の希望通りか
  • 残業時間、勤務時間などの労働条件
  • 新人研修がきちんとされているか
  • スキルアップ、キャリアアップができる職場か
  • 自宅と職場の通勤時間に無理はないか
  • 子供がいるので院内に託児所が設置されているか
  • 病院の近くに寮は完備されているか

などが挙げられます。自分自身のライフスタイルに合わせて、条件は人それぞれ違いますが、条件ばかりにこだわりすぎても、良い結果が得られないかもしれません。

給料か人間関係か

給料と人間関係のどちらを選ぶかは千差万別で、どちらかを選ぶのはとても難しいことです。前の職場で「給料が安く不満があったので、給料が高い職場 に転職したい。」「人間関係のトラブルがあったので、転職先は人間関係のいい職場を探したい。」と単に現在の問題を回避するだけの理由で転職を考えていま せんか?

高給料でも良い病院はたくさんあります。しかし「高い給料さえもらえればいい。」と給料条件だけで選んでしまったら・・・。その分、労働条件が悪く なり、勤務形態が更にハードになる場合もあります。そうなると体力的・精神的にも負担が増してしまいます。現実の過酷な業務に追われ、自分に余裕がなくな り、いつの間にか当初抱いていた看護師への希望や憧れが消え失せてしまうかもしれません。

また、「人間関係のいい職場」を選んだ場合、実情は働いてみないとわからないものです。他の看護師とのコミュニケーションをとらずに自分さえ良ければ良い、自分だけ我慢すればいい。と割り切ってしまい、周りの人のことは考えない・・・。それでは、良い人間関係が作れるはずがありません。

スタッフと上手にコミュニケーションがとれないと、看護師の人間関係が悪化してしまい、最悪な事故やトラブルにもつながりかねません。何よりも悲しいのは、一番大事な患者さんにまで悪影響を与えてしまうということでしょう。
人間関係の良い職場は仕事のストレスが少なく、自分の能力を思う存分発揮できるはずです。

転職も一つの解決法

もし人間関係に問題があったとしても、まず自分自身を変えてみる努力をして、それでも改善されなければ上司に相談し、最終的に転職を考えても良いと思います。転職する理由を明確にするために、転職をして自分はどうなりたいのかを整理してみるのも良い方法ですね。

必ず聞かれる退職・転職理由、こんな時はどう答える?

転職するとなると、希望の職場の面接を受けなければなりません。必ず聞かれるのが、退職理由、転職理由。理由によっては、マイナスイメージを持たれかねません。そこで、想定される退職・転職理由別に、どんなこたえ方をするのが良いのか、一般的な例を8つのケースで見てみましょう。

1.人間関係やいじめを苦に辞めた

他に転職理由があれば、できるだけ人間関係やいじめの件には触れない。どんなに相手が悪い場合でも、あなたの性格や対人能力に問題があると誤解されたら損。いじめや人間関係のことついては一切触れず、「他にチャレンジしたい 仕事ができた」など全然違う前向きな話をすることです。

他に理由がないなど、どうしても人間関係に触れざるを得ない場合は、「人間関係が複雑で、それを理由に退職する同僚が多い職場でした。私もなんとか努力はしたのですが、やはりもっと前向きに仕事ができる職場で頑張りたいと、転職を決意しました」といった説明の方が好ましい。

2.結婚を機に退職した

また働けるようになった理由も説明。結婚を機に退職し、一度家庭に入ったにも関わらず、どうして働こうと思ったのか、疑問に思われる可能性あり。働くことになった理由(「育児に一区切りついた」「時間を短縮してなら働けるようになった」など) も添えた方がよい。

3.自分の成長のために辞めた

「やりたい内容」「なぜ前の職場ではそれが実現できなかったのか」を付け足して話すと、なおよい。

4.忙しいから辞めた

「看護業務以外の雑務が多く、患者さんと向き合う時間が少ない職場でしたので、これからはもっと一人ひとりの患者さんを大切にケアする看護を、身につけたいと思い…」

残業時間が長い、雑務が多くて看護業務に手が回らないなど…「忙しい」にもいろいろなニュアンスがある。ただ「忙しいから」と言うと、「ウチも忙しいよ」と言われてしまうのがオチ。単に楽な病院に行きたがっていると思われないよう、看護業務にもっと専念したいなど、プラスへの言い換えが大切。但 し、「勉強会」や「委員会」がありすぎて嫌、とは言わない方がよさそう。

5.体調を壊して辞めた

「症状・診断結果・通院中かどうか・服用中の薬」など具体的に話す。腰痛やうつなどの症状は、業務に差し支えがあると思われてしまうことが多い。
病気・症状は、変に隠そうとせず、

  1. 診断結果
  2. 今も医師にかかっているか
  3.  薬は何を服用しているか

など具体的に話し、その病院での勤務に支障が出ないか、判断をゆだねた方が良い。相手も病気のプロですから、しっかり公正に見てくれる。ドクターストップが掛かっているような大病なら、転職せずにまずはゆっくり休むこと。

6.配偶者の転勤で辞めた

今後の転勤の可能性も含めて伝える。病院側として気にするのは、どのくらいの期間いてくれるだろうか、という点。
転勤の可能性がないのであれば、はっきりと「もう転勤は当面ないと思います」と伝えた方が良い。
もし再び転勤の可能性がある場合は、入職後にトラブルにならないよう、あらかじめ打ち明けておく方が良い。

7.親の介護が必要になり辞めた

再び働けるようになった理由や、今後も介護が必要にならないかを含めて伝える。

これも、おそらく症状や、今後同じ理由で退職する可能性があるかどうかを聞かれる可能性・大。
「どうして介護が必要で辞めたのにウチで働こうとしているんだろう…」と思われないよう、しっかり納得させられる説明をした方がよいと思われる。

その際は、「日勤なら働けるので」「兄弟に任せられることになったので」など、一度は辞めたもののまた働けるようになった理由をお忘れずに。

8.看護観の違いから転職を決意した

具体的な看護観を説明。

「私の思う看護観は○○○というものですが、以前の職場は×××という考え方で、自分の思う看護とはほど遠い環境でした。今回、ホームページで貴院の看護観が○○○と拝見し、まさに自分の理想とするものだと共感しましたので応募させて頂きました」

といった説明で、自分の看護観と、合わなかった看護観、そして面接を受けている病院の看護観をそれぞれ説明するようにする。

看護観が合わないのを理由に転職する際は、また合わない施設に当たらないよう、事前の情報収集や、面接で質問・確認をしっかりとる必要がある。

転職の価値基準を明確にする

退職理由も重要ですが、転職するにあたって、看護師の仕事について、あなたの価値基準も明確にしておく必要があります。

「自己分析」や「自己啓発」といった自分という一人の人間をどういう風に表現していくのか、そして成長させていくのか、という考え方を明確にします。看護師の就活における「自己分析」は、面接や履歴書での自己PR文章を掘り下げるためにも必要ですが、それよりも、

  • 自分が医療の世界で何を目指したいのか
  • どういった理由で転職をしたいのか
  • という就活の「ゴール」を明確にするために用います。

自分の願望や望みを具体化すること。それが、「自己分析」です。手法はインターネットや自己啓発本・ビジネス本などを探すといくらでも見つけることができますが、基本的な手法でいえば、たとえば、

  • 自分の願望や望み(または、不満やストレス)をすべて書きだす。
  • 叶えたい願望(または、解消したい不満)の優先順位をつける。
  • その中の「1番」が叶う就職先をリストアップする。
  • 複数の候補があれば、「2番目以降」の条件によりマッチした就職先を選ぶ
  • こういった流れで自分の考えを整理していくのが良いでしょう

自己分析は「条件」でしかない

データで見た側面です。実際の職場の雰囲気やムードが自分に合うかどうかは、自分の目で確かめてみるしかありません。小さなクリニックや医療機関であれば、やはりその場所を取り仕切っている医師(院長先生)の人柄が、自分にフィットするかが一番大事です。

総合病院や大学病院など、大勢のスタッフが入れ替わり立ち替わり働く職場であれば、個々の人柄との相性より、職場全体の「空気」が自分にフィットするかを重視しましょう。

例えば、テキパキと自分で考えて動くことを求められる職場と、職場全体のリズムを大切にして働くことが求められる職場とでは、働き方も変わってきます。職場ごとに、そこで働いている人たちの意識や考え方というのが、滲み出てくるものですので、自分にフィットする場所かどうかの見極めは慎重に行ないましょう。

いずれにせよ、就職・転職において大切なのは、自分の『価値基準』です。

  • 何のために
  • 何を優先して
  • 何を我慢して

いま、目の前にある選択肢から選ぶのか。転職や就職してから後悔しないように、しっかり考え抜いた上で応募先、就職先は選ぶようにしましょう。

まとめ

看護師の退職理由は、表向きと本当の理由で違いがあります。表向きには結婚、出産、育児などが多いのですが、実際のところは、職場の人間関係やいじめ、パワハラが多い。

上司に相談したりしても改善が見込めない場合は、転職も一つの選択肢です。
転職先を見つけるポイントや必ず聞かれる退職・転職理由にも注意が必要。

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