訪問看護は、どのような魅力があるのか?

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看護する訪問看護師

そう思っている看護師はいるはずです

答えは、「そうなんです、訪問看護職には大きな魅力があるのです。」

自分の看護力が生かせる

いちばんのおもしろみは、自分の看護力を生かせることです。誰にでも自分の看護力があるもの。普段は白覚していなくても、あるいは発揮する機会が少ない人でも、必ず「自分の看護力」があり表す。訪問看護職訪問看護職では、それを生かす機会が多いのです。だから、おもしろいのです。

もし現状で、自分の看護力を自覚できていない看護師であれば、きっと訪問看護で自覚できるようになっていきます。ただ、おもしろいというだけではなく、もちろん「つらさ」「たいへんさ」もあります。

楽しいだけの職場なんでありませんよ。それら悲喜こもごもひっくるめて「おもしろい」のです。

 効率やスピードを求めていては得られない

利用者のお城であるご自宅に出向いて、その方の「患者役割」で見せる姿とは違うありのままの生活に触れ、それを変えていく(整えていく・支援していく)ことができる、何とも魅力ある仕事が訪問看護職です。

魅力ある生活支援

「日常生活支援」と言葉で表現すると、当たり前の支援のように聞こえるかもしれませんが、実は奥深いのです。これこそが「看護」と思う場面に、たくさん出会います。たとえば、 リウマチのある女性Aさんの場合、排泄は全介助で娘さんが仕事を辞めてつきっきりで介護をしていました。そこへ訪問看護師が支援することになり、作業療法士とタッグを組んで、何とか排泄の自立ができないかと取り組みました。

その結果、AさんのADLに変わりはないのに排泄が自立できたのです。自分の力で、排尿・排泄ができるようになったAさんの娘さんは、仕事にも復帰できました。これは、ただ単に病気の看護をしていたのではできないことです。「生活・生き方支援」に視点を変えて、Aさんの生活に合った補助器具や道具を利用した環境調整を行うことで、排泄が自立できたのです。

がんや難病などで治癒不可能な病気の方、あるいは人工呼吸器やチューブ類に頼って生きている方、重度の心身障害児、精神障害がありながら地域での生活を送る方……。多様な方々のご自宅や地域での生活を支えていく大事な看護職です。

医療・治療中心の場の看護とは違って、効率やスピードを求めていては得られない、生活の豊かさや価値観、生き方の多様性を学べます。暑かつたり寒かったりするけど、豊かな季節感を味わえる!訪問看護職は、活躍するフィールドがアウトドアです。

インドアで、1年中冷暖房のきいた箱のなかで過ごすよりは変化があっておもしろいと思います。春は、そこらじゅうに桜やサツキなどの花が咲き乱れ、秋は紅葉を堪能しながら訪問するのもまた楽しいものです。利用者宅の玄関先にご家族が飾る、季節の花を見るのも楽しみの1つです。

もちろん、雪の日や台風の日もあれば、夏には日焼け対策も必要になりますが、その変化さえも楽しんでいます。

医療モデルではなく生活モデルの看護職は何が違うのか

訪問看護とは訪問看護ステーションから、病気や障害を持った人が住み慣れた地域やご家庭で、その人らしく療養生活を送れるように、看護師等が生活の場へ訪問し、看護ケアを提供し、自立への援助を促し、療養生活を支援するサービスです。一般社団法人全国訪問看護事業協会

入院医療が必要な方とそうでない方の見極めが求められる従来なら、入院して医療の場で過ごしていた方々が、今後は、自宅・在宅・地域のなかで生活し、生きていくという方向に向かっています。

医療体制の確立が必要

それは非現実的なことなのでしょうか? そうではないと思います。重い病気や障がいがありながらも、入院医療・治療の場での24時間体制の医療が必要な方はそう多くはないはずです。基本は、生活の場での生活支援の充実(家族による介護だけではなく、介護職の介護提供)を図りながら、それに必要時に即時即応できる医療体制の確立が重要でしょう。

医療保険で訪問看護を利用する場合

年齢に関りなく訪問看護が利用できる出典:一般社団法人全国訪問看護事業協会

その実現に向けた動きが今、始まったのです。看護を提供する対象者は?訪問看護で支援訪問看護で支援が必要な対象群は、実に多様で、具体的には次のような方々です。

  1.  がん末期の方
    在宅ターミナルケア、在宅ホスピスケアなどの支援。
  2. 非がんの老衰など、人生の終末期の方
    天寿を全うされる方々の終末期支援。
  3.  重度心身障害児
    NIC∪ 退院後の人工0乎吸器使用の乳幼児を含めて、成長を支援し、家族と共に地域で発達していけるようを支援。
  4.  精神障害者
    「精神疾患患者の看護」ではなく、「精神障害者が地域で生き生きと暮らすための支援」が基本の看護。
  5.  医療ニーズの高い要介護者
    人工呼吸器使用、チューブ栄養、酸素療法など医療的ケアが必要で、しかも介護が必要な方の支援。

頭を生きることの支援にチェンジする

医療の場でのキーワードである「救命」「治療」とは違って、生活の場でのキーワードは、「豊かな生活」「自分らしく生きる」ということになります。これが人それぞれでおもしろいのですが、病院勤務から訪問看護に働く場を変えたときに、頭の切り替えがそう簡単にできないのも事実です。

でも、いったん生活を看る視点ができると、そのおもしろさ、魅力が看護の本質だと思えるのではないでしょうか。

時代が求める請問看護ステーションとは

訪問着護ステーションが誕生した経緯

日本で、訪問看護の試みが始まったのが1970年代後半です。最初は社会からの必要に迫られて、ポランテイアで病院などが訪問看護を始めたのです。その後、医療保険で「訪問看護」が認められ、報酬が付くようになり広がっていきます。

さらに、訪問看護制度ができて「訪問看護ステーション」が誕生したのが1992年です。どの医療機関とも連携ができ、住民からの直接的な依頼で訪問看護が実施できるようになりました。

頼もしい地域の看護職集団

訪問看護ステーションは、医師の「訪問看護指示書」が必要ではありますが、看護師が管理者となって、地域に貢献する事業所です。どの医療機関にも属さず、あらゆる医師、他のサービス(訪問介護・デイサービスなど)や専門職と一緒になって、自宅や地域での暮らしを支える自立した看護職事業所です。

訪問看護ステーションの誕生から20年余りが経ち、訪問看護は新しい段階に入ったのです

全国に約7,500カ所(2014年4月現在)の訪問看護ステーションがあります。今までは、必要なのになかなか開設数が増えずにいたのですが、ここ数年間で、訪問看護ステーションが増加し始めました。

また、若くて経験が少ない看護師が看護職事業所を開設する例も出てきました。

増やすべき、マグネット訪間看護ステーション

時代が「訪問看護ステーション」や「訪問看護師」「地域で活動する看護職」を必要としています。しかし、圧倒的に不足しているのが現状です。

今ある訪問看護ステーションのなかには、10人以上の看護職がいて、地域の多様な需要に応える中核的な事業所も増えてきましたが、まだまだ小規模なところが圧倒的で、看護師を募集しても応募が少ないところが多い状態です。

まとめ

事業内容や研修の充実、スタッフが働きやすい環境を整えるなどで、看護職の離職率が低く、看護師が集まってくる「マグネット訪問看護ステーション」をつくることに進んでいます。

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